蓮田病院

健康セミナー 平成24年分Healthy seminar list

 ☆は現在在職しておりません。    

第205回:わたくし達 誤嚥(ごえん)があります

 
総合診療科 山形 健一
(日本外科学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本消化器外科学会認定医 日本癌学会会員)


 わたしたちは物心ついた頃から上手に食べたり飲んだりしています。
食べることは生きること、生きることは食べること。上手に飲み込むということは、健康に生きて行く上で欠かせない動作なのです。
 お口に入った食べ物を、その奥にあるノドから食道を経て胃に送る一連の協調運動を嚥下(えんげ)と言います。この嚥下がうまく行かず、食べ物や液体の一部が気管などの空気の通り道へ入ってしまうことが誤嚥です。
毎年、お正月になると報道される痛ましい事故にお年寄りの誤嚥による窒息があります。お年寄りでなくとも、誤って気道へ食べ物が入ってしまって、むせ込みに難渋した経験は誰にでもあるでしょう。
けれども高齢者や認知症、脳血管障害、パーキンソン症候群などの方では誤嚥が習慣的になり易く、これが誤嚥性肺炎を引き起こします。この誤嚥性肺炎は再発を繰り返す特徴があり、多くの高齢者が死亡する原因となっています。
 それでは誤嚥や誤嚥性肺炎は予防できるのでしょうか。まず調理法の工夫が挙げられます。
食べ物を刻んでトロミを付けることは誤嚥予防につながります。早食いは厳禁。食後はすぐ横にならず一定時間からだを起こして胃内容物の逆流を防ぎましょう。歯磨きや歯茎マッサージなどの口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防に効果的です。
また最近では、脳梗塞後遺症の治療に用いられるアマンタジンなどの薬が、嚥下反射を改善し誤嚥性肺炎の予防に効果があると報告されています。
 生涯現役であるために、誤嚥とはあまりご縁がないようにありたいものです。




第204回:急性虫垂炎について

 
外科 青柳 治彦 ☆(日本外科学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 がん治療認定医 )


 いわゆる「モウチョウ」のことですが、正式には急性虫垂炎といいます。
大腸の始まり部分である腹部右下には「盲腸」と呼ばれる器官があり、その先端に紐のように5cm〜10cmほど突き出ている小さな突起が「虫垂」と呼ばれる器官です。急性虫垂炎は、何らかの原因で虫垂が閉塞し、内部で細菌が増殖して炎症が起きている状態です。虫垂が盲腸部の下端から突出している部分にあるため、一般的には「モウチョウ」と呼ばれています。
 抗生物質が発達した現在でも、急性虫垂炎はごく軽症の一部を除き、手術(虫垂切除術)が必要になります。
最近では、腹腔鏡手術(お腹に数か所小さな穴をあける手術)が発達し、虫垂切除術も腹腔鏡で行われるようになりました。腹腔鏡手術では、全身麻酔下でお腹にガスを押し込み膨らませ(気腹といいます)、おへそ、あるいは下腹部数箇所を1cmほど切開し、そこからカメラと手術機材を挿入して虫垂を切除します。虫垂炎の炎症が軽度であれば、当科ではおへその2cmの傷のみで手術することが可能です。術後のおへその傷はほとんど目立たなくなります。
 腹腔鏡の手術は傷が小さいだけではなく、従来の手術よりも術後の回復が早い傾向にあります。順調であれば手術の翌日より食事を開始し、数日で退院可能です。




第203回:大腸癌について

 
外科 吉田 剛(外科学会専門医)
    

 大腸がんは戦後より急激に増加し、2001年には羅患数(新たに大腸癌になった患者数)は毎年10万人を超えるようになりました。さらに2020年には、胃がん、肺がんを抜き、男女をあわせた日本人の大腸がん羅患数が1位になると予測されています。
 大腸がんのリスクとしては、直系の親族に同じ病気の人がいるという家族歴、生活習慣として肥満や過剰な飲酒歴、食品としては加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)や赤身肉(牛肉、豚肉、羊肉)が言われています。予防としては、運動による結腸がんの予防効果が実証されています。
大腸がんの症状は、血便、下血、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、おなかが張る、腹痛、貧血等多彩です。中でも血便の頻度が高いのですが、痔(じ)など良性疾患でも同じような症状がありますので、早めに病院を受診することが早期発見につながります。
 大腸がんは早い時期に発見すれば、内視鏡的切除や外科治療により完全に治すことができます。また、肝臓や肺へ転移しても、外科治療により完全治癒が望めます。つまり、外科治療が大変効果的です。しかし、発見が遅れると、肺、肝臓、リンパ節や腹膜などに切除困難な転移が起こります。こうした時期では、手術に加え化学療法(抗がん剤治療)や放射線治療が行われます。

 

第202回

 
循環器内科 那須 学 ☆(日本内科学会認定内科医 日本循環器学会専門医)
    

 心不全とは「心臓の動きが十分ではない」という状態のことです。このため心不全の人は、人より疲れやすかったり、息切れしやすい、などの症状があります。心不全は進行するにしたがって症状が強くなり、むくみが出たり食欲がなくなり、定期的に入退院を繰り返すようになり、最終的にはかなり苦しい状態になることがあります。
このような状態になることを避けるため、少しでも早いうちから治療を開始し、進行を遅らせるのがわたしたち循環器科の大切な仕事です。
心不全の治療には「ほとんどのタイプの心不全に共通する治療」というのがあります。たとえば、減塩食・適度な運動・禁煙などの生活習慣の是正に関するもの、あるいはACE阻害薬やβ遮断薬などの薬剤、などがそれに該当します。一方、心不全は「心臓に負担がかかる病気」の結果としておこるものであり、「原因にあわせた治療」を同時に行う事が非常に大切ですので、一度は循環器科を受診し「心不全の原因検索」を受けていただくことが必要です。
心不全と診断された場合は、残念ながら「完全に治る」ということがほとんどありませんので、ずっと定期的に通院する必要があります。「症状がなくなったから薬をやめたい」という方もたくさんいらっしゃいますが、内服を自己中断すると、多くの方は心不全が悪化し入院が必要な状態に逆戻りしてしまいます。
「症状がない」ということは「完全に治癒した」と異なる場合が多いことをぜひ覚えておいてください。

    

第201回:抜歯後、欠損部位をそのままにしていませんか?

 
歯科口腔外科 田中 憲一
 

以前に抜歯した部位をそのまま放置しているため最近になって咬み合わせや歯並びが悪くなったと感じている方もいると思います。
長時間、抜歯したままにしておくと隣の歯が少しずつ倒れて歯が斜めになり、特に歯周病の方は歯と歯の間が離れ、すき間が大きく見た目も咬み合わせも悪くなります。
また歯が無くなると、咬合していた反対側の歯がのびて欠損部位の歯ぐきに当たり、咬合のたびに自分の歯で歯ぐきを咬んでしまいます。潰瘍を形成し細菌感染のため腫れて痛く食事が困難になることがあります。
このように咬合平面が乱れ、左右どちらかに片寄った咬合が続くと顎関節痛やアゴを動かす筋肉にいわゆる筋肉痛が出現することもあります。
乱れた咬合平面を治療するには、歯を削ったり神経を除去してから冠を被せたり、場合によっては抜歯や矯正などの全顎的な治療も必要となります。
つまり抜歯後すぐに治療しておけばする必要の無かった処置までが必要となってしまいます。
欠損部の咬み合わせを再構築する方法としては、取り外し式の義歯、固定式のブリッジが一般的ですが、現在はインプラントによる治療が多く選択されるようになりました。インプラントにより天然歯に近い咬合機能や審美性の回復をはかることもでき、安全に、長期間使用できる治療として確立しています。担当医とよく相談して、自分の口腔内の現状に合った治療方法を選択する必要があります。
放置して大がかりな治療になる前に、欠損部位の治療をすれば、短期間の治療で済み、QOLや医療経済の面からも良好と思われます。

第200回:胃がんのリスクが血液検査でわかります

 
総合診療科 濱田 節雄(指導医・専門医:日本外科学会 日本消化器外科学会 日本消化器内視鏡学会
日本大腸肛門病学会 日本消化器病学会)

 胃がんABCDリスク検診は血液検査で胃がんになりやすい胃粘膜かどうかを判定する検査方法で、現在とても注目されています。
 現在、ピロリ菌に感染していなければ胃がんにならないとされています。ピロリ菌に感染すると粘膜の炎症がおこり、時間がたつと粘膜の萎縮が始まり胃がんになりやすくなります。粘膜が萎縮が始まり胃がんになりやすくなります。粘膜が萎縮すると、消化に関するペプシノーゲンの分泌物が減少します。このピロリ菌感染の有無と、ペプシノーゲンの分泌量は血液検査で測定することができます。この測定結果で検診者をABCDの4群に分けます。
 A群はピロリ菌の感染がなく、粘膜萎縮のない健康な胃で胃がんのリスクはありません。
 B群はピロリ菌に感染しているが、まだ初期で粘膜の萎縮がなくペプシノーゲンの減少がないので、胃がん発生率は0.1%、3年に1度の内視鏡検査が必要です。
 C群は長期間ピロリ菌に感染しているので、粘膜が萎縮してペプシノーゲンの減少があり、胃がん発生率は0.2%、2年に1度の内視鏡検査が必要です。
 D群はピロリ菌がもはや棲めない程、粘膜の萎縮が進みゴツゴツした状態で、胃がん発生率は1.3%と高く、毎年内視鏡検査が必要です。血液検査で簡単に、このような胃がんリスクがわかりますので、ぜひこの「胃がんABCDリスク検診」をお勧めします。
 また、ピロリ菌に感染していても薬で除菌できる可能性が高いので医師にご相談ください。
 

第199回:耳垢の話

 
耳鼻咽喉科 合津 和央(日本耳鼻咽喉科学会専門医)


 夏はプールや海水浴など水のレジャーの季節ですが、耳のトラブルが増える季節でもあります。鼻や咽頭とは異なり耳は全て皮膚で覆われていて鼓膜で行き止まりの穴なので、汚い水が耳に入っても中耳炎にはなりませんが、耳の皮膚に傷があると外耳炎になることがあります。要は皮膚の炎症なので怖い病気ではありませんが、耳は感覚神経が密に分布している敏感な場所だけに、小さなおできでも痛みは強く救急車で来られる方もたまにいます。耳掃除が気持ちよくてついつい耳の奥まで掃除したら今度は痛くて血を出した経験のある方は少なくないでしょう。自分で見えない部分だけに掃除の力加減を間違えると皮膚に傷をつくり、そこから細菌が入ってしまうことが実は外耳炎を引き起こす一番の原因です。
 外耳道には自浄作用があります。一番奥の鼓膜の皮膚から生じた耳垢は実は何もしなくとも皮膚の流れにのって徐々に6週間から12週間で耳の外側に送られ押し出されていくのです。野生動物は自分で耳掃除をしませんが、耳垢のせいで難聴になることがないのは外耳道の自浄作用があるためです。したがって耳掃除は本来しなくてもよい行為なのですが、どうしても掃除したいのなら、月に1回程度入り口に出てきた耳垢だけをかるく綿棒で拭うだけで十分かつ安全な方法です。
 昔中耳炎で外耳道の骨を削る手術を行った方は、自浄作用がなくなりますので、放っておくと耳垢栓塞になります。手術で耳の穴の形が変わっていると自分で耳垢をとることは困難ですから、最寄りの耳鼻科で定期的に耳掃除をしてもらってください。

第198回:歩いていると、あしにシビレが出たりしませんか?
−腰部脊柱管狭窄症のお話−

 
整形外科 金谷 幸一 ☆(東京女子医科大学医学部整形外科講師 日本骨粗鬆症学会評議員)


 歩き始めてしばらくすると、あるいは、長時間立っているだけで、あし・・のシビレや痛みが出てくる方はいませんか?
原因の一つに「腰部脊柱管狭窄症」という、腰の神経の通り道が狭くなり、神経に通っている血液の流れが悪くなる病気があります。この病気の症状は多彩で、あしに力が入らなくなったり、足の裏がでこぼこした感じになったり、残尿感や、便秘といった症状が出たりすることもあります。また、症状が悪化すると、歩行中にトイレに行きたくなることもあります(実際は出ないのに)。
このような症状に思い当たる方は、一度、整形外科の外来を受診してみてください。MRI検査を行い、まず神経の通り道の状況を確認し、お薬で治療を開始します。ひどい痛みに対しては、ブロック治療もあります。それでも治らない方には、手術治療もあります。
「歳だから・・・」と思ってあきらめてはいませんか?相手(病気)がわかれば、対処することも可能です!「この痛みがなければ、旅行だって行けるのに・・・」「大好きなグランドゴルフができなくなって・・・」など、自分の大好きなこと、やりたいことをあきらめてはいませんか?
手術治療は、それぞれの方の状態(背骨がぐらついていないか?神経の通り道の狭い場所はどこか?今までにかかったことのある病気はどんなものがあるのか?など)によってテーラーメイドで考えていきます。ただし、手術治療ですべての症状がすっきりなくなるというわけではありませんし、すべての方が手術対象になるとも限りません。脊椎外科専門医にご相談ください。

第197回:昔の常識、今の非常識

 
外科 兼子 順(東京医科歯科大学医学部臨床教授 日本外科学会認定専門医 日本消化器外科学会認定医
厚労省認定臨床研修指導医)


 私は平成2年に外科医となり、早いもので22年の年月が経ちました。最近まで、消化器外科の常識として、お腹の真ん中を縦に通る傷で手術する場合は「へそは感染しやすいから触るな」と言われ、へそを左か右かに避けて開腹してきました。約25年前に生まれた腹腔鏡手術も、約1cmの傷を創る場合はへそを避けていました。ところが、最近では医学および医療器械の進歩・発展と腹腔鏡下手術の普及により、へその中を切ってそこから腹腔鏡や鉗子・電気メス・超音波メスを複数個挿入して、胆嚢・虫垂・胃・大腸・小腸・卵巣や肝臓・膵臓に至るまで腹腔鏡で手術する方法が確立されつつあります。へその中に創った傷は、後になればほとんど目立ちません。「へそに触らない」から「へそを切る」への変遷は、「昔の常識が今の非常識」の一例です。当初はへその感染が懸念されましたが、幸いなことに現在まで当院ではへそ感染がありません。
 最近の腹腔鏡手術のトレンドの一つとして、傷口の長さを短くすることと傷口の数を少なくすることが挙げられます。理由として、美容的に優れている事、術後の疼痛が比較的少ない事、術後の回復が早い事などの長所が挙げられます。腹腔鏡手術の短所として、対象疾患によっては手術時間が長くなったり、開腹手術にはみられないストレスを外科医にもたらします。
 腹腔鏡手術は万能ではありません。腹腔鏡手術は開腹手術と同等の治療成績を求められていますし、何よりも傷にこだわるよりも安全に手術を行うことが最優先されます。
 外科医は「昔の常識、今の非常識」に習って、「今の常識、未来の非常識」があり得る事を頭の片隅に置いて日々研鑽することが要求されています。

第196回:ビスホスホネート系薬剤による顎骨壊死
―予め必要な歯科治療や歯石の除去、口腔清掃指導などを受け予防する―

 
歯科口腔外科 秋月 弘道(昭和大学客員教授 日本口腔外科学会専門医/指導医)


 骨粗鬆症や悪性腫瘍の治療に使用されているビスホスホネート系薬剤の副作用として、あごの骨が死滅し、骨が腐った状態になること(顎骨壊死)があります。顎骨壊死がおこると、あごの痛み、腫れ、膿が出る、歯のぐらつき、下くちびるのしびれ、あごの骨が露出するなどの症状が出現します。このような病変が生じる部位は、現在のところあごの骨に限られています。
 ビスホスホネート系薬剤には、注射薬と内服薬があり、悪性腫瘍の骨転移や高カルシウム血症の治療、骨粗鬆症の治療に用いられています。これらの病態に対して大変有用な薬剤で、近年、多くの患者さんに使用されています。現在、ビスホスホネート系薬剤を使用されている方で、「口の中の痛み、特に抜歯後の痛みが治まらない」、「歯ぐきに白色の硬いものが出てきた」、「あごが腫れてきた」、「下くちびるがしびれる」、「歯がぐらついて、自然に抜けた」などの症状が出現した場合は、すみやかに医師、歯科医師、薬剤師に相談してください。
 顎骨壊死は、口の中が不衛生な状態において生じやすいため、予防にはビスホスホネート系薬剤が使用される前に、予め歯科を受診し、必要な歯科治療や歯石の除去、口腔清掃指導などを受けること、さらに定期的な口腔ケアを継続することが大切です。顎骨壊死は発症すると完全に治癒するのは困難です。専門医による積極的、定期的な予防処置を受けられることをおすすめします。

第195回

 
総合診療科 石田 孝雄 ☆
(日本消化器外科学会専門医/指導医 日本消化器内視鏡学会専門医/指導医 日本外科学会専門医/指導医)


 私は、蓮田病院で『総合診療科』という部署を担当しております。耳なれない科目ですのでどのような仕事をしているのか、説明させていただきます。
 最近は従来の内科、外科が細分化され、病院にかかるのもややこしく難しい時代になってきました。腫瘍科、腫瘍外科、心療内科、神経内科など、病院は耳慣れない科目で満ち溢れるようになりました。患者さんにとっては不便極まりないシステムがまかりとおっています。「私は、1週間前から胸が痛い…」と言って病院に行きますと、まず、呼吸器科に回され、そこでレントゲンをとりますが、「肺には異常なし」となれば、「循環器科へ行ってください」と振られてしまい、散々待たされた揚句、心電図、CTを撮ったところ、やはり異常はなく、医者も「循環器的には異常がありません」。「では、整形外科へ行ってください」といわれ、「でも肋骨に異常はありませんので、皮膚科へ行きますか」そのうち痛みもなくなって、病院各科回りをしているうちに治ってしまった、というあまり喜ばしくない話があちらこちらで聞かれるようになりました。これは困ったことです。専門性がすすむことはいいことですが、しかし、木を見て森を見ず、の例えは医療では許されません。患者さんの立場からすれば、理屈はいらん、どの科でもいいから、まずは、早く治してくれというのが本音でしょう。そこで、私どもの病院では、総合診療科を併設しました。できるだけ早く的確に専門領域への橋渡しの役目となるように初診の皆様を適切な診療に誘導する役目を担っております。綺麗なタイルも、その間の「めじ」を埋めなければ使い物になりません。専門と専門をつなぐ接着剤として総合診療科は存在します。まだまだ、新しい試みですが、やがてこの試みが花を開き、地元の皆様方のお役にたてるように日々努力しております。もしも、調子が悪い、何科に行ったらいいかわからない、などのお悩みのある方がおられた場合には、ぜひ一度当科を受診していただきますようお願い申し上げます。

第194回:新年のごあいさつ

 
理事長 前島 静顕(東京医科歯科大学大学院臨床教授 日本外科学会認定指導医 日本消化器外科学会認定医)


 新年明けましておめでとうございます。
 本紙健康セミナーに掲載させていただいてからすでに194回目となり、15年間継続して、毎月、各専門医が役に立つ医療情報をお届け致しております。毎年年頭には私が毎年1年間の出来事を中心に私感をお伝えしております。
 平成18年年頭の私の拙文を読み直してみましたところ、自分の周囲の出来事や世界中の政治、経済、数え切れない程の事件や天災が全く同じように繰り返されていると書かれていました。さらにその出来事のふり幅が次第に大きく、大きくなっていると。まさにその通りで、昨年の3.11東日本大震災は我が国ではかつてない未曾有の出来事であり、今も尚、被災地では寒さに耐えながら、極めて厳しい生活を強いられています。地震ばかりでなく豪雨や強力な台風、火山や火事なども世界各地で発生し、地球規模で起きるこの現象は、温暖化と関係あると思えてならないのです。さらに加えて東日本大震災がもたらした極めて大きな問題は原発事故による被爆問題です。原発の是非については世界中で大いに議論すべきと思います。
 アメリカ経済の破綻やギリシャから始まったヨーロッパ経済の崩壊が我が国にも及び国家の将来に大きな不安をもたらしています。国家財政の危機は私たちが直接関与する医療や介護の将来へも大きな問題を投げかけています。何と言っても世界一低医療費で全国民に平等な日本の医療はTPP問題などを契機として先行きに大きな不安をかかえています。しかしわたしたち医療人は世界一の健康長寿国を守り、世界一幸せな国を実現させたいと願っています。

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