蓮田病院

健康セミナー 平成31年、令和元年分Healthy seminar list

 ☆の医師は現在当院では診察を行っておりません。    

第282回:『―新しい時代とそけいヘルニア手術について』

外科 長谷川久美(日本外科学会専門医/指導医 日本消化器外科学会専門医/指導医 日本消化器病学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 マンモグラフィ読影認定医)

 5月は一年で一番緑の美しい風薫る季節です。この原稿を書いているのは平成31年4月で、掲載される5月号では「令和」に代わっているはずです。実は発表されたばかりでまだピンときません。時代の変遷を身に染みて感じる今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。年号が代わっても、かわらず皆さまの健康寿命がより長く、実りあるものとなるよう少しでもお手伝いできることが、蓮田病院スタッフ一同の喜びであり、日々精進いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回はよくみられる身近な「脱腸」または「そけいヘルニア」について、最近の主流である腹腔鏡手術をご紹介します。
 そけい部というのは足の付け根で、脱腸では、老化のせいで筋肉がゆるみ腸が外に飛び出てしまい、立つとぷっくり膨れます。横になればもどりますが、もどらないと腸がしめつけられて血のめぐりが悪くなり、こじれたら腹膜炎になってしまうので手術が必要です。以前はそけい部の上を8㎝ほど切開し、周囲の靭帯や筋膜を縫い縮めていました。この方法だと、術後の痛みが1〜2週間、ツッパリ感が約1〜2か月続いて、再発の可能性も数%ありました。最近では、かわりに腹腔鏡手術が主流となっています。そけい部を切開せずに、へそに2㎝の穴をあけて、そこから腹腔鏡で観察して、体の内側(腹腔内)から補強します。へその傷の痛みは少しありますが、そけい部の痛みや違和感がほとんど無く、比べるとずっと負担が少ないようです。また再発もより少なくていいことずくめです。お気軽に外科外来にお声をかけてみてください。

第281回:『口腔がん―早期発見のためのセルフチェックを―』

歯科口腔外科 秋月 弘道(日本口腔外科学会指導医 日本口腔外科 学会専門医)

 タレントの堀ちえみさんが「私は口腔癌と診断されました。いわゆる舌癌です」と公表し、治療経過が報道されています。伴って、自分の口の中に関心を持つ方が増えています。
 舌がんの症状は、舌の〝しこり〞を伴った潰瘍です。また、舌や歯肉の一部が白くなる白板症や赤くなる紅板症などの前癌病変にも注意が必要です。白板症の5〜20%、紅板症の約50%が、将来口腔がんになると言われています。
 がんが進行すると、病変が潰瘍になり痛みや出血、さらに咀嚼や嚥下、発音なども障害されたりします。治療は、一般的には手術療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法を組み合わせて行います。いずれにしても早期に発見して、早期に治療することが大切です。
 しかし、実際は口内炎だと思って放置してしまい、がんが進行してから受診するケースが少なくありません。以下のポイントで、口腔がんのセルフチェックをしてみてください。
①口の中に硬い〝しこり〞がある
②口の中に出血しやすい場所がある
③3週間以上治らない口内炎や潰瘍がある
④抜歯のあとが治らない
⑤口の中や唇にしびれがある
⑥口の中に白い部分または赤い部分がある
 口腔がんは、直接肉眼で観察でき、手指で触れるため、口腔外科専門医の診察を受ければ視診と触診により、ほとんどが診断可能です。思い当たることや不安な点がある場合は、早めに口腔外科専門医のいる病院の受診をお勧めします。

第280回:『至適睡眠時間と統計学』

外科 兼子 順
(東京医科歯科大学医学部臨床教授 日本外科学会専門医/指導医 日本消化器外科学会認定医 日本消化器内視鏡学会専門医 
厚労省認定臨床研修指導医)

 最近、厚生労働省の毎月勤労統計調査に関する不適切統計問題が取り沙汰されています。統計は全ての政略の根底となるもので、医学の研究や論文にも統計学は切り離せません。ここで、睡眠時間と長生きに関する統計に基づく調査結果についてお話させていただきます。
 長生きに関して個人が把握しやすい指標の一つとして睡眠時間があります。睡眠時間に関しては様々な調査が行われており、アメリカで行われた寿命と睡眠時間の関係を調べた大規模な調査では、睡眠時間が7時間の人が最も死亡率が低く長寿でした。もちろん個人差はありますが、睡眠時間がそれよりも短くても長くても、寿命が短くなる結果でした。
 大規模な調査とは、対象となる人数、年代別、性別、人種別など様々な項目から統計学的な処理を施して研究者の主観が入らないように分析しています。
 この薬で癌が治ったとか、この薬はすごく効くとか、誇大広告っぽい話を皆さんは聞いたことがあるでしょう。もちろん全否定は出来ないですが、1万人のうち1人に効いたとなればその人にとっては有効な薬ですが、残り9999人には効かないのです。つまり統計学的には有効ではないとされるでしょう。
 テレビ・新聞・雑誌等で見かけるアンケート調査等においても、対象人数などの項目が表記されずに統計学的処理を施していない場合は、数字の羅列に過ぎず信憑性がありません。統計学を知る(学ぶ)事により、世の中の曖昧さを見抜く力が培われるでしょう。

第279回:『体を動かす機会に気付いて健康への第一歩を!』

総合診療科 山形 健一
(日本外科学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本消化器外科学会認定医 日本癌学会会員)

 テニスプレーヤーの大坂なおみ選手、素晴らしいですね。あのスピード、スタミナ、パワー、反射神経、どれをとっても超一流!
 我々中高年にとってはうらやましい限りですが、うらやんでばかりもいられません。
 よく体を動かす人(早歩きで30分以上程度)は、脳卒中をおこす率や死亡率が半分くらいになります。今や国民病となっている糖尿病治療の基本のひとつが運動療法であることは言うまでもありません。
 それにはまず体を動かす機会に気付くことが大切です。もしあなたの体重が60㎏ならば、60キロカロリーを消費するのに階段上り8分、階段下り10分、自転車15分、風呂掃除15分、掃除20分、料理30分、ウォーキング20分が必要です。
 このようなカロリー消費の目安を知っておくことは体を動かす動機につながります。目標は一日合計60分、元気に体を動かすことです。
 65歳以上の人はじっとしていないで一日40分を目標にしてみましょう。そして周囲とつながることが大切です。家族、友人と一緒に体を動かしましょう。
 みんなで動いてあきらめない!なおみに負けるな生涯現役!

第278回:『胸焼けのお話』

副理事長 前島 顕太郎(日本医科大学非常勤講師 日本消化器外科学会指導医/専門医 日本消化器内視鏡学会指導医/専門医 日本外科学会専門医 日本消化器病学会専門医 日本大腸肛門病学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 消化器がん外科治療認定医 日本食道学会食道科認定医 日本消化管学会胃腸科専門医/認定医 厚生労働省認定臨床研修医指導医)

 新年あけましておめでとうございます。皆様お健やかに新春をお迎えのことと存じます。
 皆様胸焼けを感じることはないでしょうか?胸焼けとは、胸が焼けるようにひりひりする感じや痛み、胃酸が上がって来るような感覚や胸全体に感じる違和感などを表します。「食べすぎ、飲みすぎたあとに胃のむかつき、重たい感じがある」「寝ている時や朝起きた時に胸の違和感や胃酸が上がってくるような感じがする」このような症状がある場合、いくつかの病気が考えられます。
 よくある病気としては逆流性食道炎があり、食べたものを消化するための胃酸が逆流してくることで引き起こされる病気です。胃の入り口にある筋肉の機能低下やストレスによる胃酸の増加、妊娠や肥満によってお腹が圧迫されることなどで起こります。またアルコールや食べすぎ、寝る前の食事習慣なども原因となります。
 また頻度は低いですが、食道の動きが低下することで起きる疾患で、食べ物を飲み込むことが難しいと感じるようになる食道アカラシア、その他、食道がんや胃がんでも胸焼けを起こすことがあります。また稀に狭心症や心筋梗塞を起こしていることもあるため、胸焼けが続く場合には医療機関を受診することをお勧めします。

蓮田病院蓮田病院

〒349-0131
埼玉県蓮田市根金1662-1
TEL 048-766-8111
FAX 048-766-8110

   

日本外科学会外科専門医制度修練施設
日本消化器外科学会専門医修練施設
日本消化器病学会認定施設
日本整形外科学会認定医研修施設
日本大腸肛門病学会認定施設
日本麻酔科学会麻酔科認定病院
日本消化器内視鏡学会指導施設
日本がん治療認定医機構認定研修施設
日本口腔外科学会認定関連研修施設
厚生労働省歯科臨床研修施設指定
日本静脈経腸栄養学会NST稼働認定施設
日本消化管学会胃腸科指導施設
日本病院総合診療医学会認定施設