総合診療科 濱田 節雄
癌にかかっている人の尿には特有の匂いがある事を日本人の広津崇亮さんが、世界で初めて発見しました。
生物学者の広津さんは、25年以上の線虫の研究を続けてきて、線虫の嗅覚が優れていて、非常に微細ながん細胞の匂いに反応することを発見しました。線虫は健常者の尿からは〝逃げて〞、がん患者さんの尿には〝近づく〞という性質を持っています。この線虫によるがん検査(N-NOSEエヌノース)は、世界でもNatureやScience等権威ある科学誌に多数取り上げられていて、現在世界中で認められています。五大がんを含め15種類の「ステージⅠの早期がん」に高精度で反応し、がんリスクを一度に「手軽に」調べられます。早期発見が難しい「ステージ Ⅰの早期がん」で発見されれば生存率は大幅に上昇します。但しどこのがんかの判定はできません。線虫は飼育コストが安く、検査は安価です。検査は簡単で自宅で尿を採取し、尿を検査センターに送るだけです。毎年のがん検診と線虫によるがん検査を組み合わせると、がんの早期発見の確率がより上がります。線虫によるがん検査でリスクが高いと判定された方には、早期発見のために直ぐに病院にて相談される事をお勧めします。