048-766-8111

健康セミナー
2004年分

☆は現在在職しておりません。

第109回:生涯現役をめざして

循環器内科 船山 大 ☆
(日本内科学会認定内科医 日本循環器学会認定専門医)

新潟県中越地震では多くの死者やけが人が出ました。

大切な家族や友人が、目も前で突然倒れ、呼びかけても返事がなく、呼吸もなく、動かなくなったら、どうしますか?今回は、心肺蘇生の話をさせていただきます。

米国心臓病学会によると、このような時、救命のために大切なことは、
1.迅速な通報
2.迅速な心肺蘇生
3.迅速な除細動
4.迅速な二次救命処置

であると示されています。このなかで、今回強調したいのは、現場に居合わせたわれわれ自身がすみやかに心肺蘇生を始めなくてはならないということです。

 心停止後、脳が生きられる時間はせいぜい3~4分のみと言われています。一方、平成12年度消防白書によると、救急隊が現場に到着するまでに早くても平均6.1分かかっています。

これらを考えあわせますと、心停止後、なんの心肺蘇生もなされていない場合、救急車が現場に到着したとき、大部分の人は、すでに低酸素血症により重篤な脳損傷をうけてしまっていることになります。それでは大切な人の命を救うことはできません。一刻も早く現場に居合わせたわれわれが心肺蘇生を始めたかが救命のカギとなります。

次に、心肺蘇生法につき簡単に説明いたします。まず、倒れている方の肩を軽く叩き、大丈夫ですか?と大声で反応をみることから始めます。反応しない場合は119番に連絡する。つぎに、頭部を後屈させ、あご先を手で持ち上げ気道を確保する。つづいて、呼吸停止を確認したら、人工呼吸を開始する。さらに、すぐに、心マッサージを開始する。胸の下部を1分間に80から100回圧迫する。といった手順になります。

最近は、多くの心肺蘇生の講習会が開かれています。どんどん参加して、大切な人の命を救うすべを身につけていただきたいと思います。

第108回:生涯現役をめざして

眼科 椎葉 義人 ☆

近年は高齢化社会と言われており、特に、女性の平均年齢は八十歳を超えています。

高齢者の眼の病気といえば、白内障が有名です。白内障とは、水晶体が濁っている状態で、眩しさや眼のかすみ、視力低下といった症状を呈します。初期の段階では、メガネやサングラスで対処できますが、白内障が進行すると、対処できなくなります。厄介なことに、水晶体は一度濁ってしまうと元には戻りません。点眼薬で白内障の進行を遅らせることはできますが、最終的には手術しないと濁りはとれません。濁った水晶体の袋の中身を除去し、眼内レンズを挿入する、といった手術です。

手術の時期ですが、日常生活で不便を感じるようになった時が一番良いと思われます。手術の安全性は極めて高く、施設によっては日帰り手術を施行しているところもあります。しかし、術中や術後のトラブルの発生例も報告されています。また、白内障以外の眼の病気(緑内障、糖尿病網膜症など)がある場合、術後視力が回復しない場合もあります。局所麻酔(眼だけの麻酔)での手術ですが、全身状態が悪い場合手術が受けられない場合もあります。一方、術後は、入浴や運動の制限、点眼など、注意点もありますので、術後も定期的な受診が必要とります。

ところで、白内障術後メガネは不必要、と思われていますが、調節能力が失われるので必要に応じてメガネを使用します。

最後に、白内障手術は成功率も安全性も高い手術ですが、合併症も報告されていることも念頭においてください。

第107回:生涯現役をめざして

皮膚科 滝野 長平 ☆
(日本皮膚科学会認定皮膚科専門医/大学功労会員)

最近爪の水虫の治療を希望されて外来を訪れる方が多くなりました。これは、このところ内服薬による治療の報道がマスコミを通じ目に触れ、耳にする事が多くなり、治らないものと諦めていた方の治療意欲が掻き立てられた結果かと思われます。今回はその治療の現状をお伝えいたします。  用いられる内服薬は三種類です。市場に登場して順に説明いたしますと、

 一.グリセオフルビン(ポンシルFPほか)・・・昭和三十年後半から使用されていますが、原因菌(皮膚糸状菌・主に白癬菌と言われる一種の黴)を殺す力がなく、活動を抑えるだけなので、爪が完全に生え変わるまで内服が必要で足の爪では一年以上も掛かること、催奇性があるため内服中止後女性では一ヶ月、男性では六ヶ月の避妊が必要なこと、次に述べる菌を殺す力のある二剤に押され、薬価は安いのですが余り用いられなくなっております。

 二.イトラコナゾール(イトリゾール)・・・平成五年から使用されておりますが、この薬の特性を利用した内服方法(パルス療法)が最近実用化され脚光を浴びることとなりました。パルス療法は普通用いる量の何倍もの大量の量(安全の範囲で)を短期間用いて、普通量では得られない効果を獲得する手段です。

 三.テルビナフィン(ラミシール)・・・平成九年から用いられています。英国では第一選択とされております。

 いずれを選ぶかは、併用できない薬が有りますので専門医に相談されお決めください。

第106回:生涯現役をめざして

外科 安藤 正幸 ☆
(日本外科学会専門医 日本消化器外科学会認定医)

医療技術の発展に伴い、治療法の選択ができるようになってきました。
 例えば、胃潰瘍や十二指腸胃潰瘍等で、胃や十二指腸にあながあいてしまった時に、以前でしたら、すぐに手術を施行してきました。それも、胃を2/3とってしまう術式が当然の如くされてきました。
 現在では、まず点滴を用いた、保存的な治療を第一に考えます。保存的治療では治せない時には次に、手術によりあなを、閉鎖する術式等が考慮されます。この様に、体に対し非侵襲的な治療ができる可能性もあるのです。しかし、薬で治療中に状態が悪くなり、手術の時期を逸してしまい、命を落とす危険性にも注目しなければいけません。「最初から手術をしていればよかったのに。」ですとか、「医療ミスでしょ。」との声が今にも聞こえてきそうです。しかしその反対に、手術をしなくてもいい病態の人に手術をした際には「なんで手術をしたのですか。しなくてもよかったのに。」と言う声も聞こえてきそうです。これらの治療法の選択は、医師による病態や治療法の選択の説明を基に、患者及び患者家族と医師との相談で決定されるものです。以前の様に医師のいいなりに、決められるものではありません。同様に一口に胃癌や大腸癌といっても各人にいろいろな治療法があります。皆様におかれましては、病名や病態が医師より説明された際に、一番適切だと思われる治療法を熟慮のうえ治療法の選択を医師と相談していただければと思います。
 後悔しない最新の医療を受けられる為には、医師側と患者側の相互の理解が必要です。

第105回:生涯現役をめざして

脳神経外科 森 茂夫 ☆
(日本脳神経外科学会専門医)

近年の脳神経外科での治療は、従来の手術はもちろんの事、血管内カテーテルを用いた血管内手術及び、放射線を用いたガンマ・ナイフなどの非観血的手術あるいは、化学療法・遺伝子治療の進歩により飛躍的に向上しています。
しかしながらこれらの治療を支えるのは、さらに一段と解像力を高めた画像診断によるところが大きいと言えます。ご存知のようにCT断層撮影、CTを用いた3次元CT、MRI及びMRIを用いた脳血管MRAなどによって、より詳細な病態がわかるようになりました。この診断の際に大切なことは無症候性疾患の診断と早期の診断があります。無症候性疾患とは無症状でありながら将来重大な状態となり得る疾患の事で、未破裂脳動脈瘤や無症候性脳梗塞(いわゆるかくれ脳梗塞)などが挙げられます。脳動脈瘤は破裂した場合には突然の頭痛や意識障害を伴うクモ膜下出血、かくれ脳梗塞は大事な部分に生じると半身マヒや言語障害、時に意識障害を起こす疾患です。いずれも突然に、ほとんど何の前兆もなく発症することが特徴であり、心配な疾患です。これらの疾患が発見されるのはほとんど偶然の場合です。すなわち、原疾患とはあまり関係のない頭痛などの症状で病院を受診し、検査を試行した結果発見される事が大部分です。主治医の判断で、受診された方の訴えや年齢などの生活環境を考慮したうえで、適切で精密な検査を施行することで、疾患を発症する前に発見することができます。早期診断においても同様の事が言えます。このように診断能力の向上により、初期の段階で疾患を発見し、その上で多様性のある治療へ導く事が現在の脳神経外科領域での最新医療と言えます。

第104回:生涯現役をめざして

内科 西村 健司 ☆
(日本内科学会認定医 日本消化器内視鏡学会認定医 介護支援専門医)

肝臓病の研究は、日進月歩であり、近年、肝臓病の食事療法も見直されてきています。
特にC型慢性肝炎の食事指導内容は、従来のものから大きく変わりました。今までは、肝臓病と言えば、高蛋白質、高カロリー、高ビタミン食が推奨されていました。また、民間療法としてシジミや牛レバーなども肝臓にいいと信じられていました。
しかし、最近の研究では、C型慢性肝炎では鉄過剰を来しやすく、腸管から吸収された鉄が肝臓へ沈着し、直接的に肝細胞を障害して肝炎を悪化させることがわかってきました。
こうした研究結果から、現在では慢性肝炎の食事指導は鉄制限が中心となってきています。日常生活において鉄の摂取を減らすには、まず、鉄鍋や鉄製包丁、鉄製の茶釜などの鉄製の調理器具や食器を使わないようにします。
食物では、食物中の鉄は色素となるので、赤い肉類、緑の濃い野菜を避けます。鉄分の多い豆腐や、内臓に鉄分が多い小魚、シジミやアサリなどの小さい貝類も控えます。
従来肝臓にいいと思われていたシジミや牛レバーは、鉄含有量が多いため、摂取を避けることになりました。
鉄制限は、C型慢性肝炎だけでなく、B型肝炎や脂肪肝など他の慢性肝臓病でも有効とされています。慢性肝炎から、肝硬変、肝癌への進行を抑えるため、食事中の鉄の摂取を控えましょう。

第103回:生涯現役をめざして

外科 兼子 順
(日本外科学会認定専門医 日本消化器外科学会認定医)

電子工学系の発達により、医療機器とりわけ診断機器が飛躍的に発達しております。  今回は、消化器疾患に対する診断機器として最近脚光を浴びているものを御紹介します。

カプセル内視鏡

小型カメラと光源の入った1cmほどの小型カプセルを飲んで消化管の画像診断を行います。画像は携帯する箱に無線で送信保存されるためカプセルを便から回収する必要はありません。また入院の必要はなく、自宅にて検査できます。
 小腸は非常に長く、内視鏡や造影検査が難しい「暗黒領域」でしたが、カプセル内視鏡は小腸検査の主役になるであろうと言われています。

腫瘍PET

 癌は細胞分裂が盛んなためにエネルギーであるブドウ糖を周囲の正常細胞より多く消費します。これを利用した検査がPETです。アイソトープで標識したブドウ糖を注射して取り込み部位を検出します。「沈黙の臓器」といわれる膵臓癌の診断に大きな期待が寄せられています。ただし現時点では限られた施設で自費(約10万円程度)にて行われています。

CT仮想大腸内視鏡

 CTを用いて内視鏡と同じような立体画像を作ります。注腸検査や大腸内視鏡の検査と同様に下剤による腸管前処置は必要となります。ただし通常の大腸内視鏡と違い、細胞検査やポリープ切除は出来ません。この仮想内視鏡は当院で検査できます。
 最新医療の機器が必ずしも将来の医療の主役になるとは限りませんが、研究・試行錯誤を繰り返して医療は進歩して来たし、これからも進歩して行きます。

第102回:生涯現役をめざして

整形外科 林 秀剛 ☆
(日本整形外科学会専門医)

整形外科の最新医療の現場では、いろいろな分野で新しい研究が進んでいます。
 骨粗鬆症に対する薬物療法の進歩、骨延長術の確立、ロボット手術(人工膝関節・股関節)、組織培養および移植(軟骨・骨・神経・血管など)、遺伝子診断、最小侵襲手術、鏡視下(内視鏡)手術など多くの分野でそれぞれ進歩を遂げています。蓮田病院でも先端医療の治療を行っています。それは、手指骨の骨延長術です。機械に指を挟んだために指の先端を失い、見た目が悪かったり、親指が短くなったりして物をうまくつまむことが出来なくなったりした患者様の指の骨を延ばす手術です。
 当院では指先に付ける小さな創外固定器を用いて、1日0.5ミリのスピードで、最大約2センチまで延ばす手術を行っています。この手術は、日本でもまだ限られた施設でしか行われておらず、患者様から大きな満足を頂いております。
 手術は、日本手の外科学会評議員で、日本医科大学の講師沢泉卓哉医師が行います。沢泉医師は、毎週金曜日の午前中の外来で診察しておりますので、指の短縮でお悩みの患者様はぜひお越しください。
 また、骨粗鬆症の薬物療法では、ここ数年の間に骨量を増やし、骨強度を高め、骨折りのリスクを減少させる内服薬が日本でも使えるようになり、将来の骨折の予防、寝たきりの予防に効果を上げつつあります。当院でもレントゲン検査、最新の腰椎DEXA(骨塩定量器械)や血液・尿検査による正確な骨粗鬆症の診断の後、上記の内服治療を行っていますので、お気軽に外来にてご相談ください。

第101回:生涯現役をめざして

脳神経外科 岩佐 英明 ☆

人前に出ると、片側の顔面のピクツキが出て、それを自分で感じると、ますます緊張して顔面の痙攣が余計にひどくなり、最悪の時には、その側のまぶたが完全に閉じてしまって、見えなくなるということもあります。こういう人たちは、「片側顔面痙攣」という病気なのです。原因としては、ほとんどの場合が、その側の顔面神経を、近くの血管が圧迫して、神経を刺激するから起こるものとされています。直接に血管の圧力が神経に及ばないように脳神経外科で手術すると治ります。
 おおまかに言って、元気な75才位までの患者様なら、手術は可能です。術前に色々な検査をして、全身麻酔がかけられるかどうかなどを検討してから決めます。人によっては、丸坊主になっていただきます。半年くらい経てば、大体の人は、昔の様な髪にもどります。その間、かつらを使う手もあります。
 また、どうしても手術は無理な人とか、手術は、嫌だという人の場合は、「ボトックス注射」があります。これは、顔面痙攣が出る眼の周囲の筋肉5ヶ所くらいと、頬で痙攣のある筋肉の1ヶ所くらいを、髪の毛の様な細い針で、極く少量(それぞれ0.1ml)の皮下注射をし、2~3日すると徐々に治ってきます。
 しかし、この方法では、手術と違って、永久に治ることはありません。大体、4~5ヶ月、経過すると、顔面痙攣は、再発してきます。だから、この治療法が、気に入った人は、1年に2~3回、外来に注射治療に来られます。顔面痙攣かなと、思われる方がいられましたら、ぜひ脳外科医のいる病院を訪ねてみてください。今回は、顔面痙攣の治療法について、述べさせていただきました。

第100回:生涯現役をめざして

外科 伊藤 雅史 ☆
(日本外科学会指導医 日本消化器外科学会指導医/専門医 日本臨床外科学会・日本脈管学会評議員日本透析医学会会員)

今回は外科領域における胃癌の最新医療についてお話します。胃癌では先月号で紹介した内視鏡治療や小さなキズで行う腹腔鏡手術が注目されていますが、手術においても標準的なものから切除範囲の小さい縮小手術、神経などを残す機能温存手術、膵臓などを合併切除する拡大手術まであります。更に抗癌剤が第一選択となる場合もあり、胃癌の治療には数多くの選択肢があることがご理解いただけると思います。しかし、それぞれに得失があり一概にどれが最も優れているとは言えません。
先ず病変の大きさや形状を確認し、癌が胃壁のどの深さまで浸潤しているかを調べます。表層にとどまる場合は早期癌、深部に浸潤すれば進行癌と言いますが、更に細かく診断します。
同じ胃癌でも悪性度は様々で、その指標のひとつとなる、顕微鏡で調べる組織型も重要です。更に肝臓や肺への転移、リンパ節や腹膜への転移の有無も調べます。
治療を受ける患者様の状態も重要で、年齢や栄養状態、元気度、肥満・糖尿病の有無、心臓や肺、腎臓などに合併症がないかも考慮に入れる必要があります。
即ち、画一的な治療ではなく、以上のすべてを考慮して患者様ごとに最善と思われる治療を提供できるようになったことが、まさに胃癌の最新医療といえます。一般の方のために易しく解説された胃癌治療ガイドラインが日本胃癌学会より出版され、書店で入手できることを付け加えておきます。

第99回:生涯現役をめざして

内科 高梨 日出雄(日本内科学会認定医)

今日は、内科領域の最新医療の中で、消化器疾患に対する内視鏡治療についてお話ししたいと思います。内視鏡は今から約四十年前に開発されました。当時は「つらい検査の割には得られる情報は乏しく、あまり信頼のおけない検査」でした。しかし現在では内視鏡の器械と技術の進歩により「気軽に受けられ、信頼性の高い検査」となっています。
つい最近まで、内視鏡は苦しく、二度と受けたくない検査でした。しかし、軽い麻酔薬を使用することにより、苦痛を軽減する「意識下鎮静法」の導入により検査が楽に受けられるようになり「つらさ」が解消されました。
つぎに、内視鏡機器の進歩により、診断能力が向上し、内視鏡にある直径2~3mmの小さな穴から処置用鉗子を挿入し、さまざまな処置が可能となっています。特に内視鏡による止血術と切除術が重要です。胃潰瘍、胃癌の出血や食道静脈瘤破裂に対する内視鏡止血術により出血のコントロールが可能となり緊急手術の症例は減少しました。また内視鏡による胃や大腸などの消化管の腫瘍に対する内視鏡的粘膜切除術やポリープ切除術により、以前なら開腹手術が困難な高齢者の方や全身状態の悪い方も、内視鏡手術は体に対する負担が少ないので施行することが可能です。
このように内視鏡の進歩は近年の医療進歩に大きく貢献しています。当院では、患者さんに負担の少ない医療をめざして「意識下鎮静法」の導入や内視鏡による処置を積極的に取り入れています。

第98回:生涯現役をめざして

理事長 前島 静顕 ☆(日本外科学会認定指導医 日本消化器外科学会認定医)

新年明けまして、おめでとうございます。昨年2003年は皆様にとりまして、良い一年だったでしょうか。今年をより充実した楽しい一年にするためには、昨年の御自身を振り返って見る事も、とても大事な事と思います。自分自身に起こった事や、自分の周囲、地域社会、日本、そして世界中に起こった出来事を思い出すだけで、数えきれない記憶が、よみがえります。わたしたちはいつの時代に生きても、様々な問題や出来事とともに生きています。私自身にも昨年は実に、予期せぬ出来事がいくつか起こりました。つらかった事も、楽しかった事も、沢山ありました。私はこれらは、すべて天からのメッセージ(インフォメーション)と納得し、受け入れる事にしています。人間として、レベルアップさせていただく、試験問題だと。そうして、未来へ向けて明るい夢を見て行きたいと思っています。
 さて、医療界に目を向けますと、まず、避けて通れないのが財源の問題であります。世界一、平等で、低負担額で、高度最新医療が受けられる、我が国の医療保険制度も、医療財源に関して、厳しい状況になっていると言われています。しかし、わたしたち医療を担当する現場では、行政と意見が別れる所であります。基本的には、医療はすべての国民の健康を守るのがその使命であり、治安問題や教育問題等、日本の将来の存亡にかかわるものと同じレベルで議論すべきと考えるからであります。ちなみに、GDPに対する医療費比率は、アメリカが十四%に対して、日本はその半分の七%でしかないのです。国の財政をもっともっと医療面に充当すべきと考えます。一方医学の進歩発展はさらに加速し、次々と、新しい検査機器や治療技術が導入されています。全科にわたって前進を続ける医療技術は、多くの人々を救命し、寿命を伸ばしている事は言うまでもありません。本年は、この最新医療の現状を各診療科の専門医が執筆致します。どうぞ御期待ください。

当院は今後さらなる医療の発展のため、ソフト面の整備の充実をはかり、
当院の設立の原点である「思いやりのあるやさしい医療」と「最新の高度医療」の実現に向けて努力を続けていきます。

急患は、24時間365日
受付しております。

ピックアップ